研究設備

電子蓄積リング

京大化研電子蓄積リングKSR

京大化研イオン線形加速器棟には周長約26mの電子蓄積リングKSRがある(図1)。電子リニアック(KEL)で加速された100MeVの電子ビームを蓄積し300MeVまで加速することができる。KSRは6台の偏向電磁石、12台の4極電磁石、4台の6極電磁石によって閉軌道を形成している。ラティスはレーストラック型のTBA(Triple Bend Achromatic)構造で、運動量分散のない約5.6mの長直線部を持つ。基本仕様は表の通り。

図1

KSRの基本仕様

最大エネルギーMeV300
入射エネルギーMeV100
周長m25.689
ラティスTBA
偏向電磁石曲率半径m0.835
最大磁気剛性Tm1.0
RF周波数MHz116.724
RF電圧kV20
蓄積電流mA100

SRは蓄積モードによる利用の他に入射したビームを1/3共鳴を用いてゆっくりと取り出し散乱実験等に用いるストレッチャーモードによる利用が可能である。蓄積モードでは、不安定核内部標的システム(次世代型SCRIT)を挿入して、高エネルギー電子ビームとの電磁相互作用を通して、不安定核構造研究を行う。また、ストレッチャーモードは電子散乱実験、照射実験や学生実験等への利用が計画されている。

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